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Claudeに学習させないとは?法人がデータ取り扱いを決める手順(2026年)

12分で読めます執筆:AI講師・生成AIトレーナー / x3d株式会社 代表取締役
Claudeに学習させないとは?法人がデータ取り扱いを決める手順(2026年)

執筆: 武石幸之助(x3d株式会社 代表取締役)
公開日: 2026年8月20日

【結論】Claudeに学習させないとは、会話やコードの入力・出力を、Anthropic の生成モデルの学習に使わせない契約と設定の組み合わせです。個人の「話し方」を磨く話ではありません。法人が先に決めるのは、誰のアカウントで、どのプランで、何を入れてよいかです。

・Team / Enterprise / API は、入力をモデル学習に使わないのが既定です(2026年8月20日確認の公式料金表「Model training: None by default」)
・Free / Pro / Max はオプトアウトです。設定名は「Help Improve our AI models」
・学習オフでも、フィードバック送信と安全分類は別です。ゼロデータ保持(ZDR)はさらに別契約です

この記事では、情シス・推進室・事業責任者向けに、プランの違い、画面上の手順、現場で崩れる点を解説します。料金・席数・Desktop の配布は Claude Desktop の法人導入 に分けてあります。開発ツール3種の比較は Claude Code / Cursor / Codex 比較 です。

この記事でわかること

  • 「学習させない」の1文定義と、保持・フィードバック・ZDR との切り分け
  • 個人プランと Team / Enterprise / API の公式の違い(2026年8月20日)
  • 設定の場所(個人のトグルと、組織の Rate chats)
  • 個人 Pro を会社で使うときに規程が空文化する理由

Claudeに学習させないとは

Claudeに学習させないとは、Anthropic が会話やコーディングセッションの中身を、将来の生成モデルの学習データに使わない状態にすることです。画面のトグルだけの話に見えますが、法人ではプランの選択そのものが本体です。

公式は商業向け製品(Claude for Work、API、Claude Gov など)について、「既定では入力も出力もモデル学習に使わない」と書いています。個人向け(Free / Pro / Max、およびそのアカウントで使う Claude Code)は、改善への利用を利用者が選べます。料金表では個人が Opt-out、Team / Enterprise が None by default です。

「学習させない」と「サーバーに残さない」は違います。後者は保持期間や ZDR の話です。混同すると、稟議の一文が契約とずれます。

個人プランと法人プランで何が違うか

2026年8月20日時点の公式情報です。円換算は書きません。稟議では取得日を残してください。

区分 対象プラン モデル学習 標準の保持 誰が決めるか
個人(Consumer) Free / Pro / Max Opt-out。設定がオンなら学習に使う(Claude Code も含む) 学習オンなら最長5年。オフなら30日 利用者本人のトグル
組織(Commercial) Team / Enterprise 使わないのが既定。Development Partner Program への明示参加が例外 会話は製品上に残る。削除後はバックエンドから30日以内 顧客が管理者。Anthropic は処理者
API Anthropic API(商業契約) 使わないのが既定 入力・出力は原則30日以内に削除(Files API 等の例外あり) 契約と組織設定

Team Standard は年払 $20/席・月(月払 $25)、席は 2〜150 人です。Enterprise は $20/席・月に加え、利用分を API 料金で払います。ここは料金記事の範囲なので、本記事では学習の行だけを使います。

Claude for Work では、顧客組織が管理者(Controller)、Anthropic が処理者(Processor)です。利用者のデータ方針は、自社の管理者に聞く、と公式も書いています。個人アカウントのまま全社展開すると、この一文が成立しません。

現場で起きていること

x3d株式会社(クロスサード)の研修と導入支援では、2017年以降、1,800社超・5,000名超を見てきました(2017年〜2026年8月・累計/社内集計。年次実績は法人設立前の前身活動を含む)。受講満足度は99%(2024年度/満足+やや満足)です。学習オフの話で毎回同じ型が出ます。

  • 規程には「顧客情報を学習させないツールだけ使う」と書いてある。実体は個人の Pro を会社経費で買っている。
  • 「学習オフにした」と報告がある。確認すると、Help Improve を切った人と、切っていない人が同じプロジェクトに混在する。
  • いいね/よくないねを押した会話が、最長5年残る契約になっていることを、誰も読んでいない。
  • Claude Code を個人アカウントで繋いでいる。公式は、その経路も個人向けの学習設定が効くと書いています。

総務省の令和8年版情報通信白書(2025年度調査)では、日本企業の生成AI利用率は86.4%です。一方、「組織的な取組はない」は27.0%です。利用率だけ先に伸び、方針が後から追いつく、という順番が数字に出ています。個人プランのまま顧客情報を入れるのは、その隙間で起きます。

何を経営が先に決めるかは、AI経営とは に分けてあります。学習オフは、そのあとの運用の1項目です。トグルから入ると、対象業務が決まらないまま「安全な設定」だけが増えます。

設定の手順

1. 個人プラン(Free / Pro / Max)を今すぐ止める場合

公式の手順です(Privacy Center、2026年8月確認)。

  1. Claude のウェブまたは Desktop で、自分の名前から Settings を開く。
  2. Privacy を開く。直リンクは claude.ai/settings/data-privacy-controls です。
  3. 「Help Improve our AI models」をオフにする。
  4. モバイルも同じ項目です。アカウントに紐づくので、1回切れば他端末にも効きます。

オフにしたあとの新規チャットと、再開したセッションは、将来のモデル学習に使いません。すでに始まっている学習と、既に学習済みのモデルからは引き戻せません。公式がそう書いています。後から切っても、過去分が消えるわけではありません。

2. Team / Enterprise で組織として止める場合

学習そのものは既定でオフです。追加で見るのはフィードバックです。Primary Owner または Owner は、Organization settings の Data and Privacy にある Rate chats で、メンバーのいいね/よくないね送信を止められます。

フィードバックを送ると、その会話全体(本文、カスタムスタイル、設定)が最長5年保管され、学習に使われ得ます。Google Drive などコネクタの生データは原則含まれません。会話へ直接貼った分は含まれます。法人で「貼ってよい情報」を決めていないと、ここが穴になります。

3. 個人プランのまま全社標準にしない

法人が取るべき本線は、Team か Enterprise へ上げることです。個人のトグルを全員に守らせる運用は、人が増えるほど壊れます。x3d の現場では、規程より先に経費精算の勘定科目が個人サブスクになっているケースが続きます。

学習・保持・フィードバックは別物

稟議で1語にまとめると、後で必ず揉めます。公式は別ページに分けて書いています。

何を止めるか 公式の扱い(2026年8月) 法人での実務
生成モデルの学習 商業契約は既定オフ。個人はトグル 組織プランへ上げる。個人残置なら全員のトグルを点検する
通常の保持 API は原則30日。Work の会話は製品上に残し、削除後30日以内にバックエンドから削除 「残さない」と書くなら削除運用まで書く。Enterprise は保持期間のカスタムがある
フィードバック/バグ報告 送信した会話は最長5年。学習に使い得る Rate chats を切る。Claude Code の /feedback も同じ系統
安全分類 違反の疑いがある会話は、学習オフでも内部の安全用途に使われうる。違反時は入力出力を最長2年、分類スコアを最長7年 「絶対に残さない」と規程に書かない
ゼロデータ保持(ZDR) 適格な API と、有効化した Enterprise 上の Claude Code。標準 Enterprise には含まれない。Team / Enterprise の会話画面は対象外 必要なら Sales に組織単位で依頼する。プラン購入だけでは付かない

Development Partner Program は、組織管理者が明示的に参加したときだけ学習へ出します。Anthropic 直販 API 向けで、Amazon Bedrock と Google Cloud の Agent Platform では使えません。黙ってオンになる項目ではありませんが、管理画面のチェックを Owner 以外が見ていない会社があります。

Claude Code・Desktop・APIの経路

名前が近いので、学習の話が Desktop の料金の話に流れます。分けてください。

  • 会話(ウェブ / Desktop / モバイル) — アカウントのプランが個人か組織かで、上表の行が決まります。Desktop の入手・席数・配布は料金記事側です。
  • Claude Code — 個人アカウントでサインインすると、個人の学習設定がコーディングセッションにも効きます。Team / Enterprise / API / 第三者クラウドは商業契約です。比較と向き不向きは Claude Code / Cursor / Codex 比較 です。
  • ローカルに残る履歴 — Claude Code はセッションを ~/.claude/projects/ に平文で置き、既定は30日です。クラウド側を切っても、ノートPCのディスクには残ります。cleanupPeriodDays で変えられます。
  • API — 商業契約では学習に使わないのが既定です。ZDR が要るなら別申請です。

Claude Code の /feedback/bug/share は、送ったトランスクリプトを5年保管します。セッション品質の星取りは本文を送らず、その後の「中身を見てよいか」で Yes を押したときだけアップロードします。ZDR や組織ポリシー、環境変数 CLAUDE_CODE_DISABLE_NONESSENTIAL_TRAFFIC がある組織では、その確認自体が出ません。

社内で先に決めること

導入前に1枚にする項目

  • 顧客情報・未公開情報を入れてよいツールは、組織プランだけ、と書く
  • 個人の Free / Pro / Max を業務の正本にしない
  • Owner が Rate chats を切るか、フィードバックを許可する業務を限定する
  • Claude Code のサインインを個人アカウントにしない
  • ノートPC上の ~/.claude/projects/ を、退職・貸与返却のチェックリストに入れる
  • ZDR が本当に要るか。要るなら会話画面では足りない、と先に書く

対象業務と権限が決まっていないと、上のリストは「禁止事項の壁」になります。決め方は AI経営の記事にあります。自社のいまの置き場所を見るなら、法人AI活用診断 から入れます。登録不要です。

よくある質問

Q1. Claudeに学習させないとは何ですか?

結論として、会話やコードの入力・出力を、Anthropic の生成モデルの学習に使わせない契約と設定です。保持期間をゼロにすることとは別です。

Q2. 法人プランは最初から学習オフですか?

結論として、Team / Enterprise / API は学習に使わないのが既定です。例外は、管理者が Development Partner Program に参加した場合と、フィードバックを自ら送った場合です。

Q3. 個人の Pro で業務してよいですか?

結論として、顧客情報や未公開情報を扱う正本には向きません。個人プランは Opt-out で、人ごとに設定が割れます。組織プランへ上げてから配ってください。

Q4. 設定をオフにすれば過去の会話も学習から消えますか?

結論として消えません。公式は、開始済みの学習と既存モデルからは戻さない、と書いています。新規と再開分から将来の学習に使わない、が範囲です。

Q5. いいねボタンは押してよいですか?

結論として、法人では原則押さない方がよいです。送った会話は最長5年保管され、学習に使われ得ます。Owner は Rate chats で送信自体を止められます。

Q6. ゼロデータ保持(ZDR)を買えば会話も残しませんか?

結論として、Team / Enterprise の会話画面は ZDR の対象外です。対象は適格な API と、有効化した Enterprise 上の Claude Code です。標準プランには含まれません。

Q7. Claude Code だけ別扱いですか?

結論として、サインインしているアカウントの契約に従います。個人アカウントなら個人の学習設定、組織や API なら商業契約です。ツール比較は別記事です。

Q8. 学習オフなら社内PCに何も残りませんか?

結論として残ります。Claude Code は履歴をローカルの平文ディレクトリに置きます。クラウド側の設定と、貸与PCの返却手順は別です。

Q9. x3dに学習オフの社内設計を相談できますか?

結論として相談できます。対象業務の決め方は AI経営の記事、ツール比較は開発ツール記事、いまの置き場所は法人AI活用診断です。問い合わせは無料相談からで構いません。

参考文献・出典

本記事は2026年8月20日時点の公開情報に基づいています。プラン名・設定名、保持期間は変わります。最新は Anthropic 公式をご確認ください。

武石幸之助(x3d株式会社 代表取締役)
2017年よりAI導入支援。x3d株式会社(クロスサード)を通じ1,800社超・5,000名超を支援。受講満足度は99%(2024年度/満足+やや満足)。法人への Claude 配布では、個人プランの残置とフィードバック送信を先に潰すよう案内している。

学習オフは設定の話に見えて、実際は「どのアカウントで業務するか」の話です。対象業務が決まっていない場合は AI経営とは法人AI活用診断 から入ってください。
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